どうして『いびき』をかいてしまうのか? 最近『いびき』がうるさいと言われる。。。 主人の『いびき』がうるさくて眠れない。。。 しかも呼吸が止まる時があるけど大丈夫?? もしかしたらこれって『睡眠時無呼吸症候群』 眠りが浅くて睡眠不足な気がする。。。 CPAP(シーパップ)はしたくない。。。 でもなんとかしたい。。。 歯医者で作るスリープスプリントがあるって知ってますか?
- 成長期のお子様
- 現存歯が少ない方、反対咬合などの歯列に問題のある方
- 歯列矯正中、歯の治療中の方
- いつも鼻がつまっている方 (鼻呼吸ができない方)、いつも口呼吸の方
- 神経疾患などの持病をお持ちで寝つきの悪い方
- お口の中に異物を入れることに抵抗のある方、嘔吐反射(オエッとなる)の反応が強い方
- 検査の結果「重症」と診断された方
- その他
- 歯の締めつけ感や異物感が強くてなかなか寝つけない、唾液が多く出る
- 朝起床時、口が渇く
- 朝起床後、顎関節、こめかみや頬、顎の筋肉がだるい、痛い
- 朝起床後、上下の歯がうま噛み合わない
- 朝起床後、上顎または下顎の歯が浮いた感じがする、噛むと痛い
どうして『いびき』をかいてしまうのか? ということを考えます。
最近、家族から『いびき』がうるさいと言われたり、眠りが浅く『睡眠不足』な気がする。。。などの眠りについての気になることがあったりしませんか?
そもそも、『いびき』ってどうしてかくのでしょうか?
そんな疑問から考えてみましょう。
すやすやと静かに寝入っている状態では、鼻や口から入ってきた空気は、起きている状態と同じように、抵抗なく肺へと入っていきます。一方、肺への空気の通り道である『気道』ののどに近い部分の『上気道』が狭まることで空気の流れに抵抗が生じ、のどの周囲が振動し、ゴゴゴゴゴッ〜とうるさい音が鳴ります。これが『いびき』です。
気道が狭まる原因は、あおむけに寝ることで、図のように舌根部分や軟口蓋が重力で下がることで気道を狭めます。睡眠状態に入り、さらに筋肉が弛緩することで舌根部分はさらに下がっていきます。
以上のことに加えて、肥満によりのどの周囲に脂肪がついていると、『いびき』をかきやすくなります。また、痩せている人でも、下顎が著しく小さかったり、引っ込んでいたりすると、『いびき』をかきやすいと言われています。
『いびき』をかいている状態は、何とか呼吸ができている状態であり、さらに気道が狭まると、息を吸う時に呼吸が止まってしまします。これは、『睡眠時無呼吸症候群』につながってしまいます。
『いびき』でお悩みの際には、歯科医院または耳鼻咽喉科、睡眠外来などでご相談されることをお勧め致します。内科や耳鼻咽喉科で睡眠時無呼吸症候群と診断され、診断書(紹介状等)があれば保険適用が認められ、いびき防止装置(スリープスプリント)を歯科医院でつくりことができます。
※いびき防止装置(スリープスプリント)は、上下の歯に被せるマウスピースです。
そのため、歯の本数が少ないと作ることができません。
スリープスプリントについて
スリープスプリントは、睡眠時無呼吸症候群(SAS : Sleep Apnea Syndrome)の治療に用いられる歯科装置で、睡眠時に下顎を前方に突き出すことで、気道を確保し、いびきや無呼吸を改善する効果が期待できます。
習慣的にいびきをかいている人は、約2000万人以上いるといわれています。その中で、寝ている間に何度も呼吸が止まってしまう、睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断される方は約1割に上る200万人と推定されています。睡眠時無呼吸症候群(SAS)は下記のように定義される病気です。一晩(7時間)の睡眠中に10秒以上の無呼吸や低呼吸(呼吸が浅くなる状態)が30回以上起こる。又は、睡眠1時間あたりの無呼吸、低呼吸が5回以上起こる場合は睡眠時無呼吸症候群といえます。当然、十分な睡眠を取ることが出来ず、日中の慢性的な眠気、業務効率の低下や居眠り運転など、社会生活に多くの支障をきたすことがあります。加えて、長期に渡りいびきをかく・無呼吸状態が続くという状況は身体への負担にも繋がってしまいます。高血圧、不整脈、心臓病、脳血管障害、などの誘発、記憶力・思考力の低下など、全く良いことがありません。
目的
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療。いびきや無呼吸を改善し、睡眠の質を高めることを目的としています。
※無呼吸の状態を軽減することが主たる目的であり、いびきはそれに準じて軽度になる可能性はありますが、いびきが全く無くなるわけではありません。肥満、歯列・顎の形、体調、食事、飲酒、その他の素因が関係していびきが生じるため、予防対策の一手段です。
利点
身体への負担が少ない
マウスピースを装着すれば、下顎を前方に移動させ、気道を広げる効果が得られます。このため、酸素の通りが改善され、睡眠時無呼吸症候群の症状を軽減します。
持ち運びしやすい
<出張や旅行に携帯することができます。
マウスピースは、CPAPのような大きな機械を装着する必要がないため、持ち運びに便利です。
コンパクトなサイズであるため、外出先でも手軽に使用が可能です。
欠点
顎関節への影響
下顎を前方に誘導して固定するため、顎関節に痛みや不快感が生じることがあります。すでに顎関節症がある方や、反対咬合の方は適応できません。
装着時の違和感
装着時に違和感を感じることがあり、慣れるまで時間がかかる場合があります。
歯や口腔内の健康状態への影響
歯の移動や噛み合わせの変化、二次カリエスや歯周病の悪化、歯の圧迫感、唾液の増加など、口腔内への影響も考慮する必要があります。
効果の限界
重症の睡眠時無呼吸症候群(SAS)には、スリープスプリントだけでは十分な効果が得られない場合があります。
スリープスプリントを装着できない方
保険適用希望の場合
いびき外来などの専門科、内科、耳鼻咽喉科などの関連医療機関で睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断され、診断書を歯科医院に持参し、診断名、スプリント治療、作製依頼の内容明記のある診断書を提出頂ければ、健康保険適用でスリープスプリントを作製できます。ただし、使用材料や作製内容に制限があります。
その他注意事項
※スリープスプリントは、睡眠時無呼吸症候群の治療に有効な方法ですが、個人差があり、全ての人がスリープスプリントで改善できるわけではありません。
以下のような副作用が症状として発現します。下顎を強制的に前方に誘導し固定しているため口腔周囲の筋肉や関節、唾液腺に影響が出ます。朝起床後口腔周囲をマッサージをして緊張をほぐして、少しずつ元の噛み合わせの位置に戻すように心がけましょう。