調布市の歯科、歯医者なら精密治療が評判のあきら歯科

 京王線柴崎駅南口改札正面   駐車場完備

2021年12月3日更新

患者様の声『垂直歯根破折歯を牽引回転し機能回復したケース』(ダメになってしまった歯を引っ張って、回して保存しました) 60代 女性 Rotative extrusion technique of vertical root fracture teeth.

      2023/04/25

東京都 調布市 京王線 柴崎駅南口正面のあきら歯科 院長 伊藤 玲です。

今回は、前歯唇側部分が垂直的歯根破折を呈し、保存困難な歯に対して牽引治療を施した後に回転処置を施し、審美的、機能的に回復処置を行った患者様にアンケートに答えて頂きました内容をお伝えいたします。

右上前歯部の歯肉部違和感と被せ物のぐらつきを訴え、当医院来院。
前歯部垂直歯根破折が原因で被せ物が保持できず違和感を生じていた患者様です。
歯根破折において通常は、抜歯が第一選択となりますが、消炎処置、感染根管治療後に牽引回転治療 (Rotative extrusion Technique : 大阪府開業 Dr Sakita考案)を行った患者様です。

Q1.治療前のお口の状態で気になっていた事はどのようなことでしたか?

A1. 前歯のぐらつき(痛みはなし)、口臭等。

Q2.治療完了後の状態は、治療前と比べていかがでしょうか?

A2. 歯が安定したと思います。

Q3. 垂直歯根破折牽引手術治療・補綴治療での機能回復後は、術前に想像されていたお痛みや腫れ、受けられた後の感覚としては、痛みや腫れはいかがでしょうか?

A3. 特に痛み等はなかったです。

歯に動揺を呈し、唇側部分の歯根が垂直的に破折していて容易に除去できました。

口腔内写真:唇側の歯根破折と内部の消耗度が高く、亀裂(クラック)も認めます。この状態では、土台を築盛できず、抜歯を検討しインプラント治療などを選択肢に入れることが想定されます。

まずは、感染根管治療を施し、牽引治療の準備に入ります。

隣在歯の補綴物の消耗もあり、調和を取るため除去、根管治療後に土台を築盛し仮歯を製作し、牽引できるようにワイヤーを設置します。

ゴムを装着し、まずは歯根の牽引を開始します。1週間に1度ゴムを交換します。

牽引後5週間経過:歯根が上方に牽引され、歯根周囲に空隙がみられます。牽引効果が得られて健康歯質が上方に位置したことにより、回転処置を始めます。

中空部分にワイヤーを挿入固定し、回転力が生じるようにゴムを2方向に設置します。1週間ごとにゴムを交換します。

2ヶ月経過レントゲン写真:

術後3ヶ月経過:回転効果が得られ、約90°近く回転できて唇側面に健康歯質を獲得することができました。レントゲン写真でも牽引したことにより生じた空隙部分に骨様添加像が見られ回復していると考えられます。

術後5ヶ月経過:固定ワイヤーを除去、唇側部分に健康歯質を獲得できました。安定的な土台を築盛できる状態になりました。

術後6ヶ月経過:歯根周囲に骨様組織の再生が確認できます。最終補綴物を装着してまだ間もないため周囲歯肉の赤みがあり、その点や歯間空隙部分の調和などは、今後経過を観察する必要があります。

最終補綴物装着後5ヶ月経過:歯肉の調和が認められてきています。

最終補綴物装着後1年6ヶ月経過:審美的、機能的にも問題なく経過しています。

院長コメント

右上前歯の垂直歯根破折により機能障害・審美障害を生じていたため、破折歯根の牽引回転処置を行い咬合機能と審美的な回復を致しました。
垂直的に歯根破折が大きく、残存歯質にも亀裂(クラック)や消耗著しく、各種資料採取し保存可能か検討を進め、患者様とよく相談の上、垂直歯根破折歯の牽引回転治療 (Rotative extrusion Technique : 大阪府開業 Dr Sakita考案)を行うことと致しました。隣在歯の消耗もあり、審美的考慮も含めて同時に治療を開始することとしました。

通常なら保存不可能と判断し抜歯して、インプラント治療などで対応することが想定される今回のケースを可能性が少しでもあるのなら『垂直歯根破折歯の牽引回転治療 Rotative extrusion Technique 』の選択を考えてお勧めしました。但し、術者である歯科医師も患者様もお互いに根気のいる長期に渡る治療であることを十分に理解しながら、また、不確実性のある治療でもあることを患者様に理解して頂きながら行う治療であると考えます。どんなケースにおいても可能であるというものではないと考えております。患者様のご理解とご協力がなければできない治療です。
牽引することで短い歯根になりますが維持・安定を考慮した範囲での処置であり、ご自身の歯根を維持して機能回復することができた『垂直歯根破折歯の牽引回転治療 Rotative extrusion Technique』と補綴修復処置が無事に終了して、十分な機能回復と審美的回復ができて嬉しく思います。

また、今回の牽引治療においては、唇側の大幅な欠落があり牽引しただけでは歯肉ラインを隣在歯と調和を持たせることが困難なため、回転処置を加えて施行し歯肉ラインを統一させることが可能となりました。大変根気のいる難易度の高い治療でありました。患者様のご協力に感謝致します。

『垂直歯根破折歯の牽引回転治療』 に対して十分にご理解頂き、円滑に治療を終えることができました。引き続き定期的な診察、口腔ケアで口腔内の環境を整えて、できるだけ長く良い状態を維持できるように予防に努めて頂きたいと思います。そして、今回の『垂直歯根破折歯の牽引回転治療 を通して、『歯の大切さ』を感じて頂けたかと思います。

『垂直歯根破折歯の牽引回転治療』を受けられた患者様は、このような歯根破折により抜歯を考えなければならない経験をされることと今回の治療により大切な歯が元に近いような状態に戻ることで、歯への関心と大切さへの理解が深まることで予防意識が高まります。日々のご自身でのプラークコントロールの改善にもつながることを期待しております。このような良好な結果を実現できると患者さんと共に感動の場面を共有できることが歯科医師として嬉しく、やりがいを感じる次第です。当医院では、インプラント治療も行っています。インプラントは人工物でありますが、機能回復をするには良い治療法と考えています。しかし、自分の歯をできるだけ残したいと思う患者様の思いに寄り添えるように日々努力し、それぞれの患者様にあった治療をご提供できるように、患者様とともに考え、知恵を絞り、工夫を凝らして行きたいと考えております。

日頃から歯に対する関心もおありの方で、益々歯の大切さを感じて頂き、歯科医院での定期的なメインテナンスの重要性をご理解頂けたことに嬉しく思います。
患者さまご自身も元の歯の感覚のように戻ったことで、違和感なく過ごして頂いているようです。その他の治療を含め、しっかりとメインテナンスを継続していただければと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


あきら歯科

〒182-0007 東京都調布市菊野台2-22-2 サンメディカルビル1F
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新宿から24分 明大前から15分 調布から5分

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