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2016年6月1日更新

『お口の中に潜むむし歯菌』が『微小脳出血』を引き起こす!?

      2017/09/15

東京都 調布市 京王線 柴崎駅南口正面 あきら歯科 院長 伊藤 玲です。

今回は予防歯科の分野から『むし歯菌と脳疾患(微小脳出血)』の関係性を考えます。

近年、数々の研究から『歯周病と全身疾患』の関係性が取り上げられ『歯周病』の恐ろしさが注目されています。そして、『お口の中に潜むむし歯菌』も大きく影響するようです。

国立循環器病研究センターの脳神経内科の研究チームは、大阪大学大学院歯学研究科、口腔分子感染制御学講座の研究チームと京都府立医科大学大学院医学研究科 地域保健医療疫学の研究チームとの共同で、『お口の中に潜むむし歯の原因菌として知られている細菌(いわゆるミュータンス菌)』が、血管壁のコラーゲンと結合することで血管の傷口に集まって『血小板の止血作用を阻害する性質を持つcnm遺伝子保有株』が、脳内で炎症を引き起こし脳出血の発症に関与することを明らかにしました。(Scientific Reportsに2016.2.5.掲載)imageimage

脳出血は全脳卒中の20%程度を占め、比較的発症の年齢が若く、症状が重篤となりやすい疾病で、その主要な危険因子は過度な塩分摂取及び高血圧や糖尿病など生活習慣病と言われています。昨今の各方面による啓発の効果もあり食生活の改善に対する一般市民の認知は進んでいるにも関わらず、脳出血を発症する患者数は減少していません。

一方、近年の医学の進歩により、口腔や胃腸などの常在菌と全身の病気との関連が明らかにされつつあります。例えば、胃内に住む細菌であるピロリ菌は、胃潰瘍や胃がんのみならず、血小板数が低下する血液疾患である特発性血小板減少性紫斑病と因果関係があることが判明し、新たな治療法へと結びついた例があります。むし歯や歯周病などの歯の病気についても、口腔内の細菌は血管の中に進入し脳や心臓など全身の血管の病気を引き起こすのではないかと言われてきました。

同研究グループは、脳卒中で国立循環器病研究センターに入院した患者から同意を得て唾液を採取し、その中に含まれるミュータンス菌を培養し、そのなかでcnm遺伝子保有株の有無やはたらきと脳出血や脳MRI画像で見られる脳の変化との関係を調査しました。その結果、cnm遺伝子保有株が唾液中から検出された患者では、そうでない患者と比較して脳出血を発症している割合が高く、さらに脳のMRI画像で観察できる微小な脳出血の跡も多いことが明らかになりました。生活習慣や年齢の影響によって硬くなった脳血管に対してミュータンス菌が傷害を起こすことで、脆弱になった血管が裂け脳出血発症に至るのではないかと考えています。

今回、『むし歯菌(ミュータンス菌)と脳出血との関係』が示されたことで、脳卒中の新たな予防法の開発が進むことでしょう。

そして、『歯科疾患と全身疾患』の関係性が示されたことで、『日々の口腔ケアや歯科治療の重要性』が注目されています。

むし歯菌(ミュータンス菌)など口内細菌の量を減少させることや、医療の現場で病原性の高い細菌を選択的になくすような方法を確立することで、脳出血等の予防につながる可能性があります。

お口は、『命の入り口』

その入り口が、細菌に汚染されていては、全身に波及し様々な病気のきっかけとなることでしょう。

日々の口腔ケアと定期的な歯科医院でのメインテナンスを大切に考えたいですね。

 

 


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